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安倍国葬に関する海外関係者の見解など

迎賓館での一幕(視聴者提供)


 9月27日、安倍元総理の国葬が行われた。エリザベス女王の国葬が近く開催されたことから、そちらと比較してしまうが、報道を見る限り、献花台の弔問の列のほかは沿道に別れを惜しむ人の列はない。また、高速道路は閉鎖されるなど、日常の日本では考えられない風景が展開する。今回の国葬とエリザベス女王の国葬と対照的なのが、反対デモの存在である。国葬に反対する多くの人々が、「国葬反対」などと大きな声を上げ、プラカードを掲げて抗議の意思を示した。
 知人の日本人の中には国葬に献花に行く者がいる一方、反対する勢力もおり、国民感情が二分され、これほど国民の多くが支持しない儀式はなかったであろうし、主催した岸田総理は反対派の意見に耳を傾けず強行し、「聞く岸田」のイメージを崩壊させたとさえ思ってしまう。
 では、今回の安倍国葬について、海外の関係者はどのように見ていたのか、貴重な意見が提供されたので、ご紹介する。

1.韓国マスコミ関係者
 安倍総理の葬儀について日本の特派員に指示して、取材をさせた。今日追悼現場と反対デモを取材した印象では、日本に対して心配なのが「日本社会が本当に右翼、左翼で分断された」ような印象を受けた。韓国のマスコミの多くも「右派、左派による日本分裂」をテーマにして記事を書いている。


 安倍国葬に対する韓国国内の反応を見ると、「鬼籍に入ってかなり経過しているのに、今頃になって国葬をする意味が分からない」という反応が大半であった。

 岸田総理は今後、どのようにリーダーシップを発揮するか、政治的成果を挙げるかについて記事を書こうと専門家に取材をしてみたが、その多くが「岸田総理の支持率は今後も上がらないだろう」と言っていた。また「支持率がこのまま低いと、岸田総理が辞任する可能性がある」「政権浮揚のために日韓首脳会談を開催する可能性もある」との見解を述べる専門家もいた。日韓関係も二国の首脳の支持率の悪さを見ると持たないかもしれない。

 岸田辞任の場合、河野・デジタル担当大臣、茂木・自民党幹事長、などが次期候補と考えられるが、茂木幹事長が総理に就任すれば、日韓関係は現状のまま進展せず、関係改善できないと思われる。韓国の立場でいえば、岸田総理の方が日韓関係は友好的に進むと考えられる。

2.パキスタン政府関係者
 パキスタンにとって、今回の安倍国葬は、「主要国から招待された儀礼式典なので参加した」程度であり、積極的に参加し、外交問題で岸田総理にパキスタンへの支援をお願いするなど、考えていない。

 現在、パキスタン政府は、パキスタン人を特定技能実習生として日本への送り込みと考えており、調整している。本来、外交のチャンスと捉えるなら、専門の大臣などを派遣するが、アーシフ国防大臣が参加した。これは、27日の国葬の日にスケジュールが空いてる大臣をピックアップしただけで、そこに深い意味はない。

 安倍総理に恩義のある国や、欧米系の国々はそれ相応の要人を派遣しているが、中小国になれば、「呼ばれたから参加している」程度であろう。ちなみに、アーシフ国防大臣は国葬には参加せず、迎賓館でのレセプションにのみ参加した。ここで日本政府関係者と顔合わせができたので、パキスタンではこれを成果とみなしている。

 顔合わせ程度で岸田総理は弔問外交をアピールしようとしているが、ただの儀式に参加する外国要人に顔合わせするだけで外交成果とは日本国民は受け止めないであろうし、岸田総理の国葬外交は関係国を巻き込んだ的外れな対応としか思えない。

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