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在ウラジオストク日本領事館員の逮捕に関する政府関係筋の見解

スプートニク日本版9月27日付「FSB、在ウラジオストク日本総領事館の外交官をスパイ容疑で拘束、国外追放に」(https://sputniknews.jp/20220927/13094568.html)より、モトキ・タツノリなる領事とされる人物


ロシア連邦保安局(FSB)は9月26日、金銭を支払って情報を入手するスパイ活動をしたとして、ウラジオストクの日本総領事館の領事を拘束したと明らかにした。この領事は「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからぬ人物)」と宣告され、領事は既に解放されたという。
スプートニク日本版9月27日付「FSB、在ウラジオストク日本総領事館の外交官をスパイ容疑で拘束、国外追放に」(https://sputniknews.jp/20220927/13094568.html)では、モトキ・タツノリなる領事とされる人物が顔出しで放映されているほか、資料受け渡しのシーンも撮影されている。
今回の案件はについて、政府関係筋に話を聞くと「考えさせられることが多々ある」と言い、彼は次のような話をした。
外務省の領事が逮捕されたというのは、衝撃的であった。外務省では様々な事務的な面を担当する書記官などのポストの上に領事というポストがあり、そうしたポストの人が情報収集活動に従事しているということに驚きがある。外交官は2年程度で交代するため、もし、情報収集するためのネットワークがあったのだとすれば、対象者の引継ぎが発生する。今回は、領事が代々引き継いできたのか、今回捕まったモトキなる人物が自分で開拓した対象者なのかも気になる。もし、自力で開拓したのであれば、それはすごいことだが、逆に「ロシア側からハメられた」可能性もあるからだ。今回、書類提供のシーンまで撮影されていたとなると、ロシア側は長らくターゲットにすべくタイミングをうかがっていたのであろう。他方、モトキなる人物は、外交特権で捕まらないことに対する自身の身の危険性を考えない愚かな行為としか思えない。本来、そうした「ものをやり取り」するときは個室でするべきだが、ロシアに個室などの文化はないので、仕方ないところでもあろう。
また、外務省が情報収集で金銭を提供していたというのも衝撃的であった。あるマスコミ関係者に話を聞くと「外務省には情報収集などに関する金銭支出をしないので、全く金が出ない」と聞いたことがあるからだ。他方、「北朝鮮問題に関しては、某人に莫大な金を動かした」とも聞いたことがあり、「どちらが正しいのか」と考える。仮に、「外務省にも情報収集などで使える金がある」とすれば、機密費であろう。もしくは、領事個人が金を支出していた可能性も考えられる。

こうしたスパイ活動の撮影と公表は、社会主義の国々や団体が良くすることである。日本では、警察などの公安関係者が極左団体関係者の調査を行っているが、逆に極左団体が公安関係者の自宅などを割り出し、そうした公安関係者の自宅を機関紙に公表したこともある。この狙いは、機関紙にさらすことで、ベテランの公安関係者を担当から外させる効果があるほか、公安機関の当該団体への警戒心を向上させ、構成員への不用意な接触を妨げる。
他方、朝鮮総連という在日朝鮮人の団体が機関紙「朝鮮新報」に、韓国大使館員と協力者である在日朝鮮人と接触している居酒屋の風景を掲載したこともある。いずれにせよ、社会主義国であるロシアや中国、北朝鮮などでの情報収集は慎重を期さなければならない。今回の、逮捕事案は改めてそのことを考えさせられる内容となっている。

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