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全体大会終了後の総連組織の動向

朝鮮新報インターネット版2022年5月22日付に掲載された「総連第24期愛族愛国運動をたどりながら(上)/正面突破戦、試練の中で発揮された潜在力」

本年5月28日、29日、全体大会が開催される。朝鮮新報では、第24期を振り返るような記事まで掲載されており、全体大会に向けた機運の盛り上がりを感じる。

では、本稿で全体大会の説明もラストとなるが、全体大会後の朝鮮総連の動向についてご紹介する。

全体大会は終了後、間もなく、中央委員会第〇期第1回会議を開催する。

その際、総連中央に所在する部局の局長級の役員人事を発表し、賛否を問い(ごく稀に反対意見は出ても却下して終わりだが)お決まり文句の「偉大なる〇〇同志万歳!」(金正恩、金正日、金日成など時の指導者の名前)などとする賛辞で終わる。

大会参加者のほとんどが、金正恩の事を、「真の革命同志」などと誰も思っていないのが現実ではあるが、朝鮮と総連には常に、「裸の王様」が君臨したままの体系が永久に続いていく。

側近達は、「金正恩への偽りの誉め言葉」を言わなければ自身が職場から干されてしまうから、この構図は「裸の王様」にとっても側近にとっても気の毒で哀れである。

遠方からの参加者は、事実上の強制動員であり、自らの休日と多額の旅費が消えて無くなるだけである。

ここで、末端の同胞ではなく、総連中央本部の若手職員にとっての全体大会はどのようなものか、ご紹介する。

総連中央の若手職員にとっては、大会最終日の人事発表で「嫌いな局長が別の場所に異動にならないか?」ということが一番の関心事であり、大会決定事項を貫徹しようとの概念はまるで無い。

総連中央の全体大会後には、各都道府県本部、各総連傘下団体も1~2週間後から、順次同じように大会を開催し、大会報告を伝達するとともに、新たに人事編成を行う。

地方本部や参加団体も主催するものは「大会」であるため、討論なども行われる。勿論、改ざんされた討論原稿を読まされることとなる。

総連中央が全体大会を開催すれば、各都道府県本部・傘下団体も同様に定期大会を開催しなければいけないため、本当に面倒である。

朝銀を除く全ての総連傘下機関は、必ず大会を行わなけれならない。ちなみに、朝銀の役員総会は「朝銀総代会」との集会を各朝銀ごとに行っていたので、全体大会の直後に突如朝銀役員が人事異動する事は稀であった。

大会を招集しても、参加者が数名にしか及ばない様な、過疎地方であっても、全体大会後には各都道府県本部・支部に至るまで、大会を開催しなければならず、在日朝鮮人同胞が半径50km以内に10人位しか居住していない様な田舎の地域支部にとっては迷惑な話でもあるが、組織の決定事項なので従わざるを得ない。

朝銀がある地域では、支部の場合は朝銀の講堂を借りて支部の大会を催していたが、朝銀すらも無い地域(山梨県や、山形県、朝銀はあっても北海道の最北端地域等の)での支部大会は、会場確保から始まりどうやって開催していたのかと、心配になる事もあった。

総連中央本部が全体大会を開催すれば、地方でも同様の大会を開催するメカニズムとなっており、最後に時の国家指導者への「全体大会決定事項命令貫徹を徹底的に成し遂げます」とのオチになる忠誠の手紙を朗読させられて、「偉大なる○○同士(時の指導者、金日成、金正日、金正恩)、万歳!」と唱えて終わる。

総連の組織活動とカルト教団の集会との何の違いがあったのだろうか?と、未だに疑問を感じている。

金日成、金正日の命令であれば、「拉致もやれ!」、「拉致実行犯達に水面下でバレない様に、徹底協力しろ!」という総連組織に築き上げて行く事が、「金日成が生前に唱えていた「主体的海外僑胞運動(在日朝鮮人運動)」の本音の部分の真の活動方針では無かったか」と、感じて止まない。 

全体大会は、そんな朝鮮総連にとって4年に一度開催される最高意思決定機関だが、形式上のものでしかなく、何の代り映えもなく、総連が在日同胞を扇動し、北朝鮮に追従していくことを表明する場でしかないと考える。

ただ、形式上とはいえ、今回の大会で「今のコロナで苦しむ本国のために何らか支援をする」などと表明しようものなら、同胞・会員からは無条件に支援物資などの名目で金を搾取されることとなるだろう。そうした面で言えば、最高意思決定機関が機能しているとも言えるかもしれない。

いずれにしろ、大会開催まで、わずか1週間程度である。本年の大会で、何について言及するのか、金正恩の肖像画の掲載があるのかなど、楽しみである。

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