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世界共通の交通手段 COVID‑19で苦境 新たなサービス誕生も

ウルフギャングステーキハウスのホームページより(http://weeklystation.jp/?p=74)

 世界には先進国や発展途上国など様々な経済レベルの国が存在する。そんな中で交通手段も、先進国には新幹線などの超速電鉄が走るが、発展途上国にはそうした先端レベルの輸送手段は無かったりする。そんな中、経済レベルが変わってもほとんどの国に存在する交通手段がある。それがタクシーである。そんなタクシー業界もCOVID‑19により、ダメージを受けている。
 日本のタクシー業界の実情について、現役のタクシードライバーにインタビューをした。井上氏は日本のタクシー業界の苦境とCOVID‑19で浮き沈みする現状について話をしてくれた。

<タクシードライバーの話>
タクシー業界は、COVID‑19の拡大に伴い収益減少が加速し、売り上げ悪い人は40~50%減っている。販路である運行経路を拡大したり遠方の主要な駅に変更するなど自己努力をしている人でも30%程度減となっている。
夜間ドライバーは、COVID‑19が蔓延するまでは、遅くまで飲食店が開いていたので、終電を逃した遠方客を乗せて売り上げを上げていた。しかし、COVID‑19の拡大で、飲食店の閉店時間が早まる店が増えた。それに伴い深酒する客が減ってしまい、夜間のタクシードライバーには大打撃となる。タクシーには空気清浄機を導入するなど努力も続けるが、乗車中は密室空間となるため、タクシーへの乗車を控える人も出てきた。夜間を担当するドライバーの中には、売り上げの減少で食べていけない人も出てきてしまい、夜間勤務から、まだ売り上げがある朝・昼勤務に変更したドライバーもいる。
私は夜勤のドライバーを続けているが、これはドライバーとしての安全面を考えてのことだ。昼間の時間帯だと、車道に自転車が多数走っており事故の可能性が高くなるため、私は夜間勤務を続けている。
日本はこれまで数々の不況に見舞われてきたが、タクシー業界はその都度、影響を受けている。リーマンショックの際の不況により、企業がタクシーチケットの使用を取りやめ、タクシー業界は売り上げが激減し、大ダメージを受けた。こうした社会情勢の変化に合わせてタクシー会社も様々な取り組みを始めた。例えば、介護員タクシーである。これは、人工透析が必要な病人とタクシー会社が定期契約することで、病院への送り迎えで定期収入を得ることとなる。他方、観光タクシーも始めている。観光施設をタクシーで案内するもので、人力車より遠方への移動も可能である。
 今回のCOVID‑19の蔓延に伴い、タクシー業界が導入したものがある。飲食業界は今回の不況対策で持ち帰りメニューを増やしたが、タクシー業界でいえばこれがドライバーの人通りが多い繁華街などへの運行場所の変更である。これは、双方とも自助努力で何とかなるものだ。また、飲食業界は宅配サービスを推進するため、ウーバーイーツなどのデリバリーサービスを導入し、売上回復に成功したが、タクシー業界でもタクシーアプリ「GO」などの配車サービスを導入した。これは、他者の力を借りて売り上げを伸ばすものである。しかし、飲食業界のデリバリーサービスほど、タクシーアプリの導入は効果がない。
そのため、更なる企業努力が必要だ。実は、「日本交通株式会社」が、タクシーによるデリバリーサービスを展開しており、「ウルフギャング・ステーキハウス」が東京都内の店舗で、タクシーデリバリーサービスの配送を行っている。飲食業界のデリバリーサービスにタクシー業界が協力する形で、新たなサービスが生まれている。また、COVID‑19が落ち着きを見せえており、この1か月間、金曜日の売り上げが伸びている。COVID‑19が落ち着けば、普段の営業スタイルに戻る可能性があり、もう少しの我慢、と考えている。(以上)

日本では昨今、円安が加速し、海外からの旅行客が増加している。海外からの旅行客には、「観光タクシー」などを有効活用してもらい、それを帰国後に友人などに広めてもらい、タクシー業界の苦境脱却に協力してもらいたいものである。

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