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SNSを活用した反社勢力の錬金術

暴力団排除条例の全国一斉施行以降、ヤクザの経済活動の範囲は縮小の一途を辿っている。そんななか、警察当局から「反社」の烙印をおされた者たちはそれぞれの才覚と頭脳だけを頼りに、新たなシノギ探しに奔走している。
 ある者は捜査当局の手が及ばない海外に活路を求め、ある者はインターネットの〝大海〟に商機を求めて飛び込む。今年1月には、ネットを使った錬金術の一端が明らかになった。
 「産経新聞が現役組員が作成した『ラインスタンプ』の存在を報じたのです。つくったのは警察庁が準暴力団に認定している『元関東連合』の元リーダーで、その後、在京の有力団体に入ったM氏。ラインスタンプはユーザー自らが作成したアカウントを使ってクリエイターとしてオリジナルのスタンプを作れるという。彼は自分の名前をもじった『ゲルシーJAPAN』というアカウントを作成。同じ組に所属する組員をモデルにしたオリジナルのラインを作っていました」(全国紙社会部記者)
 画像と組み合わせて使われた文言では、「アニキと一緒です」「当番です」「若いのを行かせます」などの〝業界用語〟が多用されており、なかなかのクオリティーだ。ニュースが報じられてひっそりと消されたスタンプは、「ヤクザになる前からアイデアマンだった」(業界関係者)とされるM氏のセンスを感じさせるシロモノだった。
インターネットで調べると「販売額をLINEのルール上の上限である600円に設定し、販売をしていた」などの書き込みも見られる。
この情報が確かであれば、組員が関係先にスタンプ購入を矯正すれば、みかじめ料の徴収になり得る可能性が出てくる。身分を偽装しやすいSNSを用いた資金集めが活発化する恐れも有るため、捜査関係者も警戒している。
スタンプの作成についてLINEは利用規約などで、作成者が暴力団などの反社会的勢力であることが判明した場合、販売元のアカウントを停止する旨周知している。しかし、制作者が反社かどうかなど会社としては調べようがなく、警察の捜査令状があって初めて判明することだろう。そのため、反社のこうした錬金術を暴くことは本当に難しいと思われる。

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