MENU

大物音楽プロデューサーT、今度は薬物疑惑

画像はイメージ

日本には、薬物犯を追い詰めるプロ集団があることをご存じだろうか。薬物犯を徹底的に追い詰める、地方厚生局麻薬取締部、通称「マトリ」という名前を聞けば、ご存知の方も多いだろうが、改めてその存在をご紹介する。
 通称「マトリ」は、厚生労働省の一部門で、全国8カ所の地方厚生局に置かれており、薬物事案を専門に取り扱う特務組織で、歌手・ASKAや、元プロ野球選手の清原和博を摘発した警視庁組織犯罪対策第5課、通称「組対5課」とともに、薬物犯罪のプロフェッショナル集団として知られる。
 2016年には俳優、高知東生を覚せい剤取締法と大麻取締法違反で、さらに元女優の高樹沙耶を大麻取締法違反で、相次ぎ逮捕している。
そんな「マトリ」が昨年12月某日、次のターゲットに狙いをつけ動いた。場所は、東京都港区の高層マンションの一室、関東信越厚生局麻薬取締部の麻薬取締官たちが急襲した。
 「マトリ」のがさ入れを受けたその部屋に住んでいたのは、芸能界で名を馳せたある男だった。
 事情を知る芸能関係者は声を潜めて言う。
 「その部屋に住んでいたのは、音楽プロデューサーの大物T。女性アーティストのHをはじめ、多くのミュージシャンをプロデュースしたことで広く名を知られています」
 マトリが家宅捜索が入ったのは、Tの自宅マンションだったというのだ。
 「マトリはかなり前から、Tがコカイン常用者という情報をつかんでいた。長期間にわたって内偵捜査を進め、満を持してガサに踏み切った」(先の芸能関係者)
実は、Tについてドラッグ絡みの醜聞が出るのは今に始まった話ではない。人気絶頂だった20年ほど前にも、合成麻薬MDMAや覚醒剤の常用疑惑が取りざたされていた。
 逮捕こそされなかったものの、警察の内偵捜査を受けたことがあった。第一線を退いてからはそうした話が聞こえてくることもなくなっていたが、最近になってまた、『悪い癖が復活した』という噂が出るようになっていた」(週刊誌記者)
 先の芸能関係者によると「がさ入れでは結局、麻薬の常用を示す証拠は出ず、本人からも違法薬物の陽性反応は出なかった。ただ、捜索に立ち会ったTはその場にいた取締官の聴取に『コカインの使用を認めた』という。立件後の裁判に耐えうる物証がなかったために逮捕こそ見送られたが、身柄を取られていてもおかしくない深刻な状況だった」という
 Tの不穏な情報が出回ったのは、数年前からTを取り巻く環境が激変してきたこととも無縁ではないかもしれない。
「20年前はプロデューサーとしてミリオンセラーを連発していたが、それ以降は、人気が低迷。その間、私生活でも深刻な金銭トラブルに巻き込まれるなど、公私ともに暗い話が続いた」。こう振り返るのは音楽業界の裏側に精通する芸能プロダクション関係者だ。
 一時は引退同然の状態にまで追い込まれたが、数年前から徐々にプロデュース業を再開させるなど、復活の兆しも見せ始めていた。
 しかし、先の週刊誌記者によれば「某週刊誌に女性スキャンダルが報じられ、その影響で本人も活動休止に追い込まれた」とのことで、Tのキャリアは再び暗転した。
 ようやく「冬の時代」から脱するチャンスを得た矢先の挫折。Tの失意がいかほどだったかうかがえるが、関係者によると、この時すでにTの周囲には黒い影が忍び寄っていたのだという。
 前出のプロダクション関係者は、「この時、週刊誌が狙った『本丸』のネタはコカインの使用疑惑のほうだったらしい。この頃から、Tの周囲でクスリ絡みの噂がちらほらと出るようになっており、取材を始めたようだ」と付け加えた。
 捜査当局も、Tの周辺がにわかに騒がしくなったのと前後して、その動向をマークし始めていた。
 「マトリ側は、Tと親交のある音楽関係者や複数のメディアと水面下での接触を繰り返していた。『捜査当局がTの身辺を洗っている』という情報は週刊誌側にも伝わり、取材陣は逮捕に踏み切るXデーに備えてさらに取材を重ねていたらしい。そんななかで浮上したのが、Tの女性スキャンダルだった。週刊誌側は、結局、リスクのあるクスリの疑惑のほうの記事化はあきらめ、急遽、ネタを切り替えたと聞いている」(プロダクション関係者)
 マトリの家宅捜索が空振りに終わったことで、Tの悪癖が表沙汰になることはなかった。しかし、過去の違法薬物絡みの事件の例が示すように、違法薬物の依存性は並大抵のものではない。
 Tが今後、「薬物の誘惑」という時限爆弾を抱えて生きざるを得ないことだけは確かだ。

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA