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総連中央の全体大会の準備と不祥事など

大会報告を読む許宗萬 (画像は、VERDAD編集部が入手)

これまで、朝鮮総連の最重要会議である全体大会について説明してきたが、1990年代に総連中央に出入りしていた友人から、面白い話を聞いたので、まとめてご紹介する。

全体大会は、総連の行事の中では一番権威のある重要大会であったが故に、全体大会への会場準備のために総連の若手職員達は問答無用で何日も前から会場設営などに駆り出される事になる。

大会開催3日間、中央本部の代議員に選出されていない職員達は、ほとんどが会場整理、会場受付、弁当配布など様々な役割を分担して行う。

中央本部の若手職員達は「全体大会のメインイベント」と教え込まれた代議員達の討論等は聞く事も出来ず、ただひたすら裏方準備に徹する。

そんな、全体大会では様々なトラブルが起こっていた。

全大大会では、全国から参加する代議員から参加費を徴収していたはずなのに、90年代のある大会時には昼食時に代議員達に配布された弁当の代金支払いが長期間に渡って滞り、弁当業者が全体大会終了後、何度も中央本部に集金に来ていたという。

参加費で弁当代金が賄えるはずなのに、どこに大会参加費の金が消えたかは不明である。会場設営費や音響設備費などにも多額の費用が発生するのであろうが、そうした費用に回したのか、各都道府県本部や傘下団体ごとに代議員から回収した大会参加費を、回収後に速やかに総連中央本部に支払わないから滞ったのかとも推測される。実際に、本国及び在日を問わず、朝鮮人・韓国人は「金と約束」にはかなりルーズである。

時にバブル経済崩壊程度の時期であり、今よりも景気が良かった時代にも変わらず、総連中央は当時から弁当代程度の支払いを、しかも1年近くも滞るようになっていたということだ。

これ以降の大会でも、代金遅配となる事を承知の上で同じ弁当業者が大会会場まで弁当を配達していたのか、疑問である。

業者側から「お断り」を突き付けられたか、今の朝鮮総連には更に資金力がないため、より低価格な業者に変更している可能性も考えられる。

また、当時の大会では、様々な不規則事案が発生していたという。

総連第14回大会の討論では、当時の裴ビョンドゥ総連中央本部副議長兼総連東京本部委員長が討論をした。裴氏の討論原稿の最後の部分には、「韓徳銖議長同志を総連の団結の中心とし、李珍圭第一副議長同志を総連の事業の中心とした総連の事業体系がこの期間、成果を出す事になりました」との文句で討論を終えた。

そうしたところ、裴氏の討論終了後に突然、韓ドッス議長が舞台の幹部席でマイクを握りタダならぬ口調で怒鳴り始めた! 
韓徳銖:「私が議長なのに! なぜ総連の事業の中心は、李珍圭第一副議長だと~?! なんだ、今の討論は…?! (ケシカラン!)」との剣幕で怒鳴った。

勿論、会場内はざわつき、誰も議長を止める事も出来ず、議長がマイクを置くまで皆が黙って見つめるしかなかった。まるで、ヤクザ組織の集会である。言論の自由も何も無く、ただ「裸の王様」のためだけに開催された情けない集会である。

「俺は終身、議長職を降りない」と言わんばかりで、我が民族の愚かさを露呈してしまった。日本の天皇の様に生前退位なんて、総連議長に就いたらそんな感覚などはない。

余談だが、この第14回全体大会からは、総連への大口の資金提供者である在日の大物商工人に何とかして将来的に巨額の資金を出してもらうため、大物商工人の目先に「名誉という人参をぶら下げる方式」で、商工人を総連活動に巻き込むよう移行する事になる。

原因は、1986年1月1日の金日成が在日同胞宛に送った新年の祝電にて「在日朝鮮人の基本群衆は商工人である」との、御言葉がこの時に初めて述べられたので、1986年の第14回全体大会は「商工人をヨイショして総連活動に巻き込もう」との露骨な大会であり、この頃から商工人代表者が総連副議長職(非専従職)で就く事になる。

文東建副議長(北朝鮮船舶「東建愛国号」オーナー14回大会から副議長)、全演植副議長(サクラグループ社長、15回大会から副議長)、崔ギョンシッ副議長(群馬のパチンコ店経営。16期途中から副議長)などと代々、大物商工人が必ず副議長団に1名は加わるようになった(現在、商工人副議長は不在)。

これと同時に、この頃から、大物商工人達には、朝鮮民主主義人民共和国の「勲章(エサ)のバラまき金銭獲得工作」を露骨化していった。まるで、イルカのショーで飼育員が「大変、良く出来ました!」と言って、商工人にエサ代わりの勲章をばら撒くかの様にである。

商工人の寄付金額によって、大中小の勲章(功労メダル、国旗勲章第3級、2級、1級、労力英雄)を使い分け、商工人を永久に朝鮮と総連の餌食にする「生かさず殺さず工作」を徹底していく。

次回、全体大会後の朝鮮総連の活動の流れをご紹介する。

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