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食材 鱧 この字読めますか? 読者の意見から

 表題にある 鱧 と言う字、読めますか。関西ではなじみがある食材で、夏になると食べたくなるものである。正解は ハモ である。海に生息する蛇のような生き物である。しかも、京都の祇園祭や大阪の天神祭りの際は、珍重されるため、値段が高騰する。不思議な食材 ハモについて、読者の方から「ハモって食材について書いてください」との意見をもらったので、早速、知人の魚介類販売業者に話を聞いてきた。

 京都でハモが食べられるようになったのは、その生命力からとされる。京都市はご存じのとおり、海から遠く離れていて、魚介類が手に入らない。そこで、ハモがなぜ京都で食べられるようになるかというと、それはハモの生命力にある。

 京都への魚の流通経路は、日本海の宮島あたりで採取して、徒歩で京の都まで持ち運ばれていた。長旅をすれば魚は悪くなるため、しめ鯖などの料理法が京都で確率される。しかし、そんな長旅をしてもハモの身質が悪化することは無い。実は、ハモは水上げして締めずに3日程度運搬しても、水を掛ければ生き返るほど生命力が強く、よほどでなければ死んだり腐ることは無い。

 また、骨が多い身質だが、骨キリ技術が確立され、骨だらけの魚を美味しく食べられるようになってきた。そうして骨キリしたハモを湯通ししてハモチリなどにし、梅肉で食せば夏の疲れも吹き飛ぶというものだ。

 しかし、この骨キリについても一言ある。京都の料理人が料理番組で骨キリを披露している。その場合、皮一枚残して切るなど紹介しているが、そんなことをしていては、骨がゴリゴリで食べられない。

 実際、ハモは、皮目に近い部分に骨があるため、一部皮を切るほど深く包丁を入れなければならない。番組で見る料理人の骨キリは、骨を切る音はしているが皮目を綺麗に残しており、そのハモはそのままでは骨の当たりがきついため、調理用は別のものを使用していると思われる。

 テレビ局は演出で綺麗に放映するが、実際の料理とはは異なるときがある。

 また、関東でハモチリを食べたことがあるが、巨大なハモをハモチリにしていたので残念だった。巨大なハモは、骨が大きく硬すぎて、ハモチリには向かないのだ。小ぶりのウナギサイズのハモほど、骨が柔らかくハモチリにピッタリだ。

 そのため、他地域の方々には、夏の関西に来た時には、真に美味しいハモチリを食べてもらいたいものである。

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