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シリーズ:北朝鮮のミサイル発射 その狙い 3 米朝交渉への道すじのため

北朝鮮は9月末からミサイル発射実験を続けており、11月18日にも中距離弾道ミサイルを発射するなどしている。ミサイル発射実験を相次いで実施する北朝鮮の状況と今後の動向について、北朝鮮問題専門家に話を聞いたシリーズ3本目。専門家が指摘したのは、韓国の内情を悪用した北朝鮮の戦略が見え隠れする姿があった。その点について説明していく。

まず、朝鮮問題専門家が語るミサイル発射理由の三つ目について聴取した内容を記載する。

北朝鮮は、米朝交渉の再開を目指しており、そのためのツールとしてミサイル発射実験を利用している。北朝鮮は、ミサイル発射実験及び核実験を繰り返すことで、米朝交渉を再開できるほか、交渉を北朝鮮に有利に展開できると考えている。アメリカ、韓国、日本を脅迫し、対話が始まれば、「強硬な北朝鮮」を抑えるため莫大な経済的代価を得られると考えているからだ。(以上、朝鮮問題専門家の説明)

専門家が述べるところの、米朝交渉を促すため、また、米朝交渉を自分たちの都合の良いものとするためにミサイル発射を繰り返しているとの見解だ。

確かにこれまでも、北朝鮮は米国との交渉が行われないときにミサイル発射を繰り返してきた。オバマ政権は「戦略的忍耐」政策を打ち出していたが、この時、北朝鮮は兵器能力を向上させていた。すなわち、北朝鮮は米国などと交渉が行われないときは強硬な手段に転じていることが多く、まさしく、今回のフェーズに近いような状況が生み出されてしまっている。

バイデン政権になり、「ソン・キム北朝鮮特別代表が北朝鮮と交渉を行っている」との話を一度聞いたことがあったが、それ以降、そうした話も耳に入らなくなってきた。これについて、別の専門家に聞くと「バイデン政権以降、米国が北朝鮮と交渉しているとの話は聞いたことがあるがわずかしかない。行政が何できないことを隠すためのフェイクニュースの可能性がある」などと指摘しており、そのように認識するようになった。

現在、日本も北朝鮮との交渉パイプを持ち合わせていないので、日米韓の国々は、それぞれに北朝鮮と交渉が出来ない点で、足並みがそろっていると言える。

米国では中間選挙が開催され、共和党が下院で過半数を占めるなど、バイデン・民主党政権は苦戦を強いられている。バイデン政権としても、次回だ大統領選挙を考えれば、民主党政権として何らかの政治的成果を挙げなければならない。アフガニスタン撤退やロシアのウクライナ侵攻など、外交問題では失策続きの中、北朝鮮問題で手柄を揚げるため急接近する可能性も否定できない。米朝交渉再開まで北朝鮮がミサイル発射を続けるとの予測だが、「それでも北朝鮮優位な米朝交渉が始まらなければ、核実験をする可能性もある」との指摘もあり、予断を許さない状況にある。

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