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ハニートラップだよ!

もし、すべてを失いたくなかったら、中国女のベッドの誘いにホイホイ乗らないことだ。危険な「ハニートラップ」が仕掛けられている可能性がある。色仕掛けにハマってキン玉を握られた者は数知れず。スパイとして危ない橋を渡らされるケースもある。その悪質手口を被害者が告白する。

 「振り返ってみるとあまりにも不自然な点が多すぎる。完全なハニートラップでしたね。あの時のことがなければ、今みたいな目にも遭わずに済んだのに…」

 「4年前の月、山東省政府の招待で、青島など省内の各都市を回る視察ツアーに行った時の話です。エスコート役だった中国人の現地ガイドと、『日本でコンサルタント業をやってる』という正体不明の中国人に連れて行かれたのが、街外れの『卡拉OK(カラオケ)』でした。中に入ると、30帖ほどの部屋に通されました。壁沿いにソファーが設えてあり、カラオケが歌えるようになっている。すぐに、ドレスで着飾った『小姐』(ホステス)が20人ぐらい、私たちの前にずらりと並びました。ガイドからやんわりと『どの娘がタイプですか?』と聞かれたので、女優の小雪に似ている娘を選ぶと、傍に来て相手をしてくれるんです。その場は1時間ほどでお開きになったんですが、ホテルの部屋に帰ってくつろいでいると、突然、枕元の電話が鳴りました。声は、ガイドのものでした。そして、『さっき隣についた小姐が部屋に行く』って言うんです。それから10分もしないうちに、小姐がやって来ました。ツアーには取引先も参加してましたし、知られるとまずいと思ったので、最初は『断ろう』とも思ったんですが…。ドアを開けたら小姐がニッコリ笑って先ほど教えたばかりの日本語のメモ書きを見せてきたんです。『愛してます』って。それで理性が吹っ飛んじゃいました。一晩一緒に過ごして翌朝、小姐に200元渡して帰らせたんですが…。問題が起きたのは帰国して1カ月ぐらい経ってからのことです」

 「突然、会社に私宛の電話がかかってきたんです。相手は、ツアーに帯同していた中国人からのものでした。『折り入って話がしたい』というので、会社近くの喫茶店で待ち合わせをして、会うなり、パソコンの画面を見せられました。ベッド上の男女の映像。素っ裸で腰を振っていたのは…私でした。男は畳みかけるように、中国人ガイドと小姐が売春で逮捕されたことを告げました。さらに、『中国政府は今後、あなたの入国を認めないだろう』とも。現地に行けないのでは仕事になりません。『なんとかしてくれ』と懇願すると、不問に付す替わりの条件として要求してきたのが、会社の内部情報でした。それからは相手の言われるまま。財務状況や経営方針、会社の根幹にかかわる機密情報のほとんどを流すハメになりました」

 「このことが会社に知れれば、クビどころではありません。下手すれば逮捕もあり得る。毎日、ビクビクしながら過ごしています」

 都内在住の34歳。中国からの輸入食品を扱う商社に勤務。中国への渡航歴は5年以上になるが、中国の地方政府主催の視察ツアーで餌食に。こうしたハニートラップ被害に遭う人は後を絶たず、元首相のH・Rや防衛オタクとして知られる大物代議士、I・Sもターゲットになったとも。最近では、中国共産党幹部の〝本番〟映像がインターネットの動画サイトに流出する騒動もあった。

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